レバレッジ型S&P500 ETFは、米国の代表的株価指数「S&P500」の値動きを2倍や3倍に増幅して反映する上場投資信託(ETF)です。たとえば、S&P500が1日で1%上昇すれば、2倍型ETFは2%、3倍型ETFは3%の値動きを目指します。ただし、下落する時も同じような値動きをするのでリスクをしっかり見定める必要があります。

投資方法
レバレッジ型S&P500ETFは、普通のS&P500に比べて値動きが大きく、短期での売買や積極的なリターンを狙う人向けの商品です。長期保有には向かず、リスクも高くなります。以下に主な商品と、購入手順について簡単に紹介します。
1. 商品選択
S&P500連動のレバレッジ型ETFには主に以下の商品があります:
商品名(ティッカー) | レバレッジ倍率 | 特徴 | 取引市場 |
---|---|---|---|
Direxion S&P500ブル3倍(SPXL) | 3倍 | 日次リターン3倍・米国市場上場 | NYSE |
上場S&P500レバレッジ2倍(2239) | 2倍 | 東証上場・信託報酬0.396% | 東証 |
iFreeETF S&P500レバレッジ | 2倍 | 東京市場で取引可能・積立対応 | 東証 |
Direxion S&P500ブル3倍(SPXL)
- 概要:米国S&P500指数の日々の値動きの3倍(300%)を目指す米国上場ETFです。
- 仕組み:S&P500指数の現物株は保有せず、主にETFやデリバティブ取引を活用して3倍の値動きを実現します。
- 取引市場:米国(NYSE Arca)
- 信託報酬:年率約0.9%
- 特徴:
上場S&P500レバレッジ2倍(2239)
- 概要:S&P500先物の値動きの2倍(200%)を日次で目指す、日本の東京証券取引所上場ETFです。
- 仕組み:S&P500先物2倍レバレッジ日次指数の変動率に一致させることを目指します。
- 取引市場:東京証券取引所
- 信託報酬:年率0.396%
- 特徴:
3. iFreeETF S&P500レバレッジ
- 概要:S&P500先物2倍レバレッジ日次指数の値動きに連動することを目指すETF(銘柄コード:2237)です。
- 仕組み:S&P500先物指数の2倍のリターンを日次ベースで提供することを目的に算出された指数に連動します。
- 取引市場:東京証券取引所
- 信託報酬:年率0.803%以内
- 特徴:
2. 購入手順
- 証券口座開設:マネックス証券、楽天証券、SBI証券など対応証券会社で口座開設
- 注文方法:米国ETF(SPXL)
- 注文できる時間帯
米国市場(NYSE)の取引時間中(日本時間23:30~翌6:00、サマータイム時は22:30~翌5:00)に注文が可能です。 - 注文方法の種類
- 注文の流れ
- 証券会社の米国株取引画面で「SPXL」を検索
- 数量と注文方法(成行・指値)を選択
- 必要に応じて価格や有効期限を設定し、発注
- 約定後、証券口座で保有状況を確認
- 注意点
- 東証ETF(2239)の注文方法
- 注文できる時間帯
東京証券取引所の取引時間中(平日9:00~11:30、12:30~15:30)に注文が可能です。 - 注文方法の種類
- 注文の流れ
- 証券会社の国内株取引画面で「2239」を検索
- 数量と注文方法(成行・指値)を選択
- 必要に応じて価格や有効期限を設定し、発注
- 約定後、証券口座で保有状況を確認
- 特徴
- 東証ETFは国内株式と同じ感覚でリアルタイムに売買できます。
- 板情報(売買注文の状況)を確認し、流動性や価格の動きを把握してから注文するのが推奨されます。
- 注文できる時間帯
- 積立投資:iFreeETFシリーズは「毎日つみたて」サービスで100円から自動購入可能
iFreeETFシリーズの「毎日つみたて」サービスは、証券会社の積立設定画面で「毎日」「100円以上」を指定するだけで、毎営業日に自動で積立投資ができる便利な仕組みです。ボーナス月設定や自動入金サービスも活用できます。積立投資の第一歩としておすすめです。
儲けの目安と実績
過去パフォーマンス比較
商品名 | 5年リターン(2020-2025) | 10年リターン(2015-2025) | 最大下落率 |
---|---|---|---|
SPXL | +380% | +740% | -75%(2020年3月) |
2239 | +210%(設定後) | データ不足 | -50%(2022年) |
S&P500 | +98% | +163% | -34% |
特徴比較表
項目 | SPXL(3倍) | 2239(2倍) | 通常S&P500 |
---|---|---|---|
日次変動増幅率 | 3倍 | 2倍 | 1倍 |
信託報酬(年率) | 0.88% | 0.396% | 0.03-0.09% |
最低投資金額 | 約1万円 | 約7万円 | 約1万円 |
為替リスク | あり(米ドル建て) | 円建て | あり |
注意点
- 複利効果の限界:日次リセット方式のため、長期保有では単純な倍率通りのリターンにならない
- ボラティリティリスク:2020年3月のコロナショック時、SPXLは1週間で-60%の下落を記録しています
- 手数料影響:SPXLの信託報酬0.88%は年率3倍レバレッジ運用で相対的に低水準です
まとめ
S&P500レバレッジ型ETFは、短期間で3倍/2倍の値動きを狙える反面、リスクも比例して増大します。過去10年でSPXLが7.4倍の成長を示した事例があるものの、リーマンショック級の危機時には-90%以上の損失リスクも想定されます。円建て商品を選べば為替リスクを軽減でき、東証ETFは少額から積立投資可能という利点もあります。