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E-mini S&P 500 先物について

E-mini S&P 500先物は、アメリカの代表的な株価指数であるS&P 500指数を対象とした株価指数先物取引の一種です。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されており、S&P 500指数へのエクスポージャーを得るための手段として利用されています

商品内容

取引単位と契約サイズ
E-mini S&P 500先物の取引単位は、S&P 500指数の50米ドル倍です。これは、標準のS&P 500先物契約の5分の1のサイズにあたります。例えば、E-mini S&P 500先物の価格が1000.00ポイントの場合、1契約の想定元本は50,000米ドル(50米ドル × 1000.00)となります。CMEグループは、さらに小口の取引ニーズに応えるため、E-mini S&P 500先物の10分の1のサイズのマイクロE-mini S&P 500先物も導入しています

呼値の単位(最小ティックサイズ)
呼値の単位はS&P 500指数の0.25ポイントで、これは12.50米ドルに相当します。つまり、E-mini S&P 500先物価格が1ポイント変動すると、50米ドルの損益が発生します

取引時間
E-mini S&P 500先物は、ほぼ24時間(正確には1日23時間)、週5日取引が可能です。具体的な取引時間は、日曜日午後6時から金曜日午後5時(米国東部時間)までで、毎日午後5時から午後6時(米国東部時間)にメンテナンスによる一時停止があります

決済方法
決済は現金で行われます

限月
契約は四半期ごと(3月、6月、9月、12月)に設定され、9連続四半期と追加の3つの12月限月が上場されています

メリット

  • アクセスのしやすさ: 標準のS&P 500先物契約と比較して取引単位が小さいため、より少ない資金で取引を始めることができます
  • 高い流動性: E-mini S&P 500先物は非常に流動性が高く、活発に取引されています。CMEで最も一般的に取引されている米国株価指数先物の一つです
  • ほぼ24時間取引可能: 平日はほぼ24時間取引できるため、世界の主要な市場が開いている時間帯や、経済指標の発表時など、様々なタイミングで取引機会をとらえることができます
  • 証拠金効率: 先物ポートフォリオの証拠金は、株式の証拠金よりも資本効率が高いとされています。総取引額の一部を証拠金として預けることでポジションを保有できます
  • 手数料: 一般的に、通常の証券取引と比較して手数料が低い傾向にあります
  • 税制上の利点(米国の場合): 米国では、E-mini株価指数先物から得られる利益は、保有期間に関わらず60%が長期キャピタルゲイン、40%が短期キャピタルゲインとして扱われる税制上の優遇措置があります

デメリット

  • 価格変動の速さ: 電子取引であり、ほぼ24時間取引されているため、価格が非常に速く変動する可能性があります
  • 選択肢の限定性: 利用可能なE-mini契約の種類は、ETF(上場投資信託)や投資信託ほど広範ではない場合があります
  • 追証のリスク: 市場が不利な方向に動いた場合、最低証拠金額を維持するために追加の資金(追証)が必要になることがあります

E-mini S&P 500先物は、アクティブなトレーダーにとって、24時間近い取引機会、低い証拠金率、ボラティリティ、流動性、そして標準契約よりも手頃な価格といった点で魅力的な金融商品です。しかし、その特性から価格変動リスクも伴うため、取引の際には十分な理解と注意が必要です。

E-mini S&P 500と標準S&P 500の違い

項目E-mini S&P 500先物標準S&P 500先物(ラージ)
取引単位指数の50ドル倍指数の250ドル倍(以前は500ドル倍)
名称E-mini(イーミニ)Standard(ラージ)
最小変動単位0.25ポイント(12.5ドル)0.1ポイント(25ドル)
上場取引所シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)同左
取引時間ほぼ24時間ほぼ24時間
主な利用者個人・中小規模投資家機関投資家

主な違いの詳細

  • 取引単位の大きさ
    E-mini S&P 500先物は標準S&P 500先物の5分の1の取引サイズです。たとえば、指数が4000の場合、E-miniは20万ドル、標準は100万ドル相当の取引となります
  • 最小変動単位(ティック)
    E-miniの最小変動単位は0.25ポイント(12.5ドル相当)、標準は0.1ポイント(25ドル相当)です。取引単位が小さい分、E-miniの方が個人投資家にとって扱いやすい設計になっています
  • 流動性と人気
    取引単位が小さく参加しやすいため、E-mini S&P 500先物は個人投資家にも人気が高く、現在では取引量も非常に多いです
  • 歴史的背景
    E-miniは1997年に導入され、当初は標準S&P 500先物の10分の1サイズでしたが、標準の取引単位が引き下げられたため、現在は5分の1サイズとなっています

E-mini S&P 500の取引サイズはどのように決まるのか

E-mini S&P 500先物の取引サイズは、S&P 500指数の値に50ドルを乗じることで決まります。

取引サイズの計算方法

E-mini S&P 500先物の取引サイズ(想定元本)は以下の公式で計算されます:

取引サイズ = S&P 500指数の値 × 50ドル

例えば、現在のE-mini S&P 500の価格が5948.5ポイントの場合、1契約あたりの取引サイズは:
5948.5 × 50ドル = 297,425ドル となります。

取引サイズに関連する特徴

  • 最小変動単位(ティック): 0.25ポイント(金額換算で12.5ドル)
  • 取引単位: 標準S&P 500先物の5分の1のサイズ
  • 現在の価格: 5948.5ポイント

他の関連商品との比較

E-mini S&P 500先物は、より小さな資金で取引できるように設計された商品です。CMEグループでは、さらに小さなサイズの商品も提供しています:

商品名乗数(指数価格に対する倍率)想定元本の例(2023年2月時点)
マイクロ E-mini S&P 5005ドル20,900ドル
E-mini S&P 50050ドル209,000ドル
標準 S&P 500250ドル1,045,000ドル

E-mini S&P 500先物は、標準S&P 500先物と比較して取引単位が小さいため、より少ない資金で取引を始めることができ、個人投資家にも利用しやすい設計となっています。

E-mini S&P500の履行保証金について

E-mini S&P 500先物の履行保証金(証拠金)が必要です。履行保証金の額は、固定された計算式で一律に決まるものではなく、いくつかの要因に基づいて決定されます。

計算の基本原則
E-mini先物の必要証拠金は、そのポジションが抱える日々の予測される最大リスク、つまりその日の価格変動リスクに見合う金額として設計されています。これは、取引の総額の一部を預けることでポジションを保有するためのものであり、株価指数先物ではこの金額を「履行保証金」と呼びます

計算方法と決定要因

  • リスクベースの計算: 証拠金の額は、一般的にSPAN®(Standard Portfolio Analysis of Risk)のような定量的計算モデルを使用して算出されます。このシステムは、先物取引全体のポジションから生じるリスクを総合的に評価し、それに応じて必要な証拠金額を決定します。
  • 取引所による設定: 具体的な当初必要証拠金額は、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)などの取引所が定めます
  • 変動性: 証拠金額は固定ではなく、市場のボラティリティやその他のリスク要因の変化に応じて調整されます。市場が不利な方向に大きく動いた場合には、最低証拠金額を維持するために追加の資金(追証)が必要になることがあります

過去の例
例えば、2012年9月12日のデータでは、E-mini S&P 500先物1枚あたりの取引金額が71,975ドルだったのに対し、取引所が定めた投機玉の当初必要証拠金は4,375ドルでした。これは名目価値の約6.1%に相当します

このように、E-mini S&P 500先物の履行保証金は、取引所が日々の市場リスクを評価し、専門的な計算モデルを用いて決定するものであり、市場状況によって変動する可能性があります。

E-mini S&P 500先物取引で損失が発生した場合

先物取引で損失が発生した場合、証拠金の追加(追証)が必要になるケースがあります。

追加証拠金(追証)の仕組み

  • 取引を維持するためには「維持証拠金」という最低限の証拠金額を常に口座に入れておく必要があります。
  • 相場の変動で損失が発生し、口座の証拠金残高がこの維持証拠金を下回ると、「追加証拠金(追証)」が発生します

追証が発生した場合の対応

  • 追加証拠金が発生した場合、証券会社が指定する期限までに、不足分を口座に入金しなければなりません
  • 期日までに追証を入金しない場合、証券会社は保有している建玉(ポジション)を強制的に決済(ロスカット)することがあります

追加証拠金(追証)を支払えば決済(ロスカット)されない

追加証拠金(追証)を支払えば、その時点では損失は「未確定」のままポジションを維持できます。つまり、建玉(ポジション)を決済しない限り、評価損益はあくまで「含み損益」として扱われ、実際の損失としては確定しません

ただし、次の点に注意が必要です。

  • 追証を支払っても、その後さらに相場が不利に動けば、再度追証が発生する可能性があります
  • 追証を支払わず、証券会社が定める期限までに不足分を入金しない場合は、証券会社の判断で強制決済(ロスカット)が行われ、その時点で損失が確定します
  • 先物取引はレバレッジが高いため、相場変動によっては証拠金以上の損失となり、さらに追加で入金が必要になるケースもあります

E-mini S&P 500先物取引のまとめ

E-mini S&P 500先物は、米国の代表的な株価指数であるS&P 500指数を原資産とした先物取引で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されています。標準S&P 500先物の5分の1という小さな取引単位(指数×50ドル)で、個人投資家でも参加しやすいのが特徴です。ほぼ24時間取引でき、高い流動性とレバレッジ効率の良さから、世界中の投資家に人気があります。

取引を始めるには、対応する証券会社で口座を開設し、必要な証拠金を入金します。証拠金は取引所や証券会社が市場リスクに応じて設定し、一般的に取引額の数%程度です。相場変動で損失が発生し、証拠金が最低水準(維持証拠金)を下回ると、追加証拠金(追証)の入金が必要となります。追証を支払えばポジションを維持でき、損失は確定しませんが、決済や強制ロスカットが行われるとその時点で損失が確定します。

E-mini S&P 500先物は、少ない資金で大きな取引ができる一方、価格変動リスクや追加証拠金のリスクも大きいため、十分な資金管理とリスク管理が重要です。取引の仕組みやリスクをよく理解した上で、計画的に活用することが求められます。

S&P500の値動きは、世界経済の最新ニュースと密接に連動しています。投資家も一般読者も、経済指標と国際情勢をしっかり追い続けることが重要です。

本記事が皆さまの投資判断や経済理解の一助となれば幸いです。最新情報は引き続き当ブログで発信していきますので、ぜひブックマークを!

  • この記事を書いた人

NISHIHIRO

こんにちは、NISHIHIROです。 現役金融営業マンです、S&P500関連や仮想通貨等の関連情報をわかりやすく伝えます。はじめて投資する方の参考になればと思っています。FP2級、会員一種証券外務員資格所持

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